angina@03 102 狭心症 angina →症候群100-18 ** ** ◆胸痛のポイントから/労作性のもので1月以上前からあっても,最近発作が多い,長いなど,まだonsetから1月たたないもの,安静時狭心症は,SDがありうるから,外来で症状軽減しても自宅へ返すのは危ない。 ◆胸痛の鑑別/救急ではAMIを一番重要に考えるが, 解離性大動脈瘤(上肢血圧左右差15mmHg以上,背部や下肢痛を伴う。また胸痛+脳梗塞発作のものも多い)や肺栓塞(一側下肢浮腫+突然の呼吸困難)などをみのがさない ◆狭心症であっても,冠動脈の器質的狭窄があることもあり(50%以上を有意とするとき,75%以上を有意とするときがある),攣縮のみの場合3枝で99%の狭窄があることも可能であるが,心筋障害がないので,心筋の酵素の↑は見られない。 ◆明確なst↓がないものや,st↑あり,abnormalQのないものなどは,貫通性の虚血の場合(より重篤)も考えて,頻繁のfollowが必要かも知れない。またホルタ-のみならず,ergometerなど負荷心電図も必要である。/ホルタで異常が出た時間に症状のないものは,silent myocardial ischemiaと呼ばれる。 ○冠動脈疾患の発症時に不安定狭心症がみられるのは心筋梗塞患者を除くと約10%だが,狭心症の経過中に移行する。不安定狭心症はもし治療しなければ約10%が1ケ月以内に心筋梗塞になるとされるが,適切な治療がされればその頻度は4%以下となる。 ◆虚血性心疾患の分類 A anginaの分類 1)誘因から a)労作狭心症 b)安静狭心症 2)経過(時期)から a)安定狭心症 b)不安定狭心症 初発労作狭心症(初発か6ケ月以上無症状で起こる) 増悪型-増悪してきた安定労作狭心症 初発安静狭心症 15分以上とかnitroで寛解されない ことも。しばしば一過性のST変化やT波陰転も 3)発生機序 a)器質性狭心症 b)冠攣縮性狭心症 発作が安静時に/発作中st↑/日内で運動耐容性が変 化/Ca拮抗剤有効,β遮断剤無効 B 心筋梗塞 a) 急性 b)慢性 C 中間型 D 無痛性虚血性心疾患ischemic heart dis. without cardiac pain ◆不安定狭心症様症状;冠動脈疾患の可能性 可能性大(85-99%) ・MI,心臓突然死または他のCADの既往 ・明かな狭心症症状(♂60以上,♀70以上) ・疼痛時の一過性血行動態あるいはECG変化 ・異型狭心症(可逆的なST↑) ・1mm以上のst上昇または低下 ・胸部誘導における顕著な対称性のT波逆転 可能性中等度(15-84%) ・明かな狭心症症状(♂60未満♀70未満) ・狭心症と思われる症状(♂60以上♀70以上) ・糖尿病患者における非典型的胸痛 ・非典型的胸痛で糖尿病以外のリスクファクタが2,3個 ・心臓以外の血管疾患 ・ST0.5-1mm低下 ・R波優位の誘導における1mm以上のT波逆転 可能性小(1-14%) ・非典型的胸痛 ・糖尿病以外のリスクファクタがある ・R波優位の誘導でのT波の平坦化叉は逆転<1mm ・正常ECG ◆不安定狭心症:死亡あるいは非致死的心筋梗塞の短期的リスク 高リスク ・安静時進行性胸痛>20分 ・虚血に起因すると思われる肺水腫 ・1mm以上のST変動を伴う安静時狭心症 ・MR雑音の出現ないし増悪を伴う狭心症 ・Sまたはラ音の出現ないし増悪を伴う狭心症 ・血圧低下を伴う狭心症 中等度リスク ・安静時狭心症(>20分であるが現在は寛解或は安静時かニトロ舌下によって寛解,CADの可能性中〜大) ・夜間狭心症 ・T波の変化を伴う狭心症 ・2週間以内に発症したCanadaCSCIII〜IVの狭心症の狭心症でCADの可能性中〜大 ・異常Q波叉は複数誘導に於ける安静時ST↓<=1mm ・65才以上 低リスク ・狭心症の頻度,重症度叉は持続時間の増大 ・より低い閾値で誘発される狭心症 ・2w〜2M前に発症した新規狭心症 ・ECG正常または変化なし VI治療/アスピリン(160-324mg/day 消化管出血などのリスク+のとき81mg/day or パナルジン/硝酸剤(POは1-3錠)をベ-スにCa拮抗剤かβblocker(ACEも有効)を用い,さらにニコランジル(シグマ-ト)を加え必要ならヘパリン,硝酸剤のDIV,モルヒネも→これでもダメなら薬剤抵抗性としてIABP(baloon pamping)の補助で侵襲的治療 97.8.13