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●免疫防衛システム
免疫細胞は頼もしい戦士たちである。
合衆国への仮想攻撃に必要な防衛システムは、「免疫防衛システム」とよく似ている。
免疫系は、多方面の戦線での同時攻撃に対し、長い防御線を維持する必要がある。
マクロファージ
自然免疫担当細胞が外界に接した皮膚や粘膜に常にいる。どこからの攻撃も跳ね返す準備をしている。侵略が歩哨レベルの細胞では相手にできないほど深刻な場合、免疫応答を助けるために近隣の血管を通じ、好中球やNK細胞のような免疫担当細胞を呼び、迅速で大規模な戦力を投入する。
樹状細胞
戦いが激しくなると、樹状細胞が、敵の攻撃や規模や部位などの情報を収集。司令本部に相当する二次リンパ器官へ移動。そこでは循環している、B細胞やT細胞が集められる。ただしこれらの応答はまだ局所的である。
侵入箇所の近隣に存在する細胞のみ影響を受け、ごく限られた数のに二次リンパ器官(近隣のリンパ節など)だけが免疫応答に関係する。これにより体中のさまざまな部位での多岐にわたる攻撃に対し、同時にたくさんの異なる戦闘を繰り広げることが可能。
キラーT細胞
免疫担当細胞は短命のため、敵が駆逐されると、問題が起きないよう武器は戦場から撤収される。キラーT細胞は短命ではないが、活性化が解除される。
細胞の破壊が得意。
マクロファージ、好中球、NK細胞、補体系タンパク質
日常的パトロールで遭遇する普通の侵入者に対応できる「通常型」の兵士で、監視役である。
B細胞、T細胞
遺伝子再構成により組み合わせたレセプターを持っている。基本的にどんな侵入者に対しても認識し対応できるだけの多様性をもつレセプターである。
自分自身の分子を認識するレセプターを発言することのないように厳しい選別を受ける。どちらの細胞も要求に応じて働き出し、間違った細胞が一方的に自己を攻撃しないような危険防止戦略に従っている。
B細胞
抗体で侵入者に標識をつけ、免疫担当細胞、補体系による破壊を可能にする。抗体の一部は侵入者である細菌、ウイルスに結合し標的となる細胞への感染を防止。
産生する抗体クラスを変更でき、侵入者が再び攻めてきても確実に正しい武器を準備でいるようにしている。
獲得免疫系
今まで出会ったことのない侵入者や見たこともない新型兵器にも対抗することが可能。
侵入者の記憶を更新することができる。生涯の間に遭遇した新しい侵入者を記憶する。
最初に攻撃を受けた後、記憶B細胞、記憶T細胞が残され、次に敵が攻撃してきたとき速やかに防衛兵器を動員することが可能。
自然免疫系
侵入者の様相を記憶できるレセプターとして、パターン認識レセプターを進化させた。これは体の中に刻み込まれている。古い侵入者を記憶する。
文献:桑田啓貴・岡橋暢夫:免疫系のしくみー免疫学入門ー(第4版),株式会社東京化学同人,東京,2015
文責:kuru