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食後の血中Cペプチド(CPR)と血糖値の比が糖尿病の治療法を選択する際の簡便な指標となることが報告された。市立八幡浜総合病院(愛媛県八幡浜市)内科の酒井武則氏らが、5月24日から仙台で開かれた第50回日本糖尿病学会で発表した。
酒井氏らは、外来診療で評価が可能な、インスリン分泌能の新たな指標を探る中で、食後1〜3時間の随時血糖値とCPRを測定し、その比(CG比:CPR/血糖値×100)を算出した。対象は、自院の糖尿病外来患者1793人。HbA1c<7%をコントロール良好群、HbA1c≧7%を不良群、BMI<24kg/m2を非肥満群、BMI≧24kg/m2を肥満群とし、それぞれのCG比の特徴を検討した。
その結果、CG比はHbA1cとは負の相関傾向にあり、治療法の如何によらず、HbA1cが7.0%未満のグループで有意に高値となった。また肥満度との関連性が確認されたほか、食事療法や経口剤投与、インスリン治療などの治療法とも有意な相関を認めた。これをもとに治療の選択については、どの治療法でコントロールが可能かの目安を示すことができた。たとえば、CG比2.5以上は食事療法で、2.0以上は経口剤投与でコントロールが可能で、1.0未満になるとインスリン治療が必要だったという。
これらの結果を踏まえ酒井氏らは、CG比を指標とした治療法の選択の目安として、(1)BMI<24kg/m2の場合:CG比が2.5以上は食事療法、2.0以上は経口剤投与、1.0未満はインスリン治療、(2)BMI≧24kg/m2の場合:それぞれ3.0以上、2.5以上、1.5未満――と算出した。CG比の算出は、日常外来診療でも簡単に取り組めることから、酒井氏らは「CG比は、治療法を選択する際の臨床指標として有用」と結論付けた。なお、CG比1.0から2.0の間の治療法については、今後の検討が待たれるところだ。