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kuru02-01404241523/温病学について ......

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◯温病学とは何か
温病学は、「傷寒論」(伝染性の病気に対する治療法が中心となっているもの。)の体系の基礎を原点として発展し、自身の体系をしだいに形成した。
そのため、温病と傷寒は概念上区別されるが、歴代の文献中二者の概念間には一定の関係がある。

〈温病の特徴〉
温病とは温邪(温熱病の原因となる邪気の総称。)あるいは温熱の邪気を感受することによって発症する疾病であるが、その特徴として以下のことがあげられる。

  1. 病因は温熱と湿熱の邪気である。
  2. 病因が熱邪であるため、発病が急で、進展が速く、変化が多い。発病後の症状も重く、病勢はどんどん進行するため手当てを急がなければ危篤に陥る。
  3. 主な病因が熱性の邪気であるため、すべてに発熱の症状がみられる。
  4. 発病には季節性がある。春夏秋冬に応じて、発生する温病の性質が異なり、名称を違っている。 春は暖かく風が強い。この季節に発生する温病は「風温」と「春温」と呼ぶ。夏は蒸し暑く「暑温」となる。夏と秋の間は長夏と呼ばれ、まだ夏の暑さや湿度が残っているので「湿温」が起こり、秋は空気が乾燥し「秋燥」となる。冬は寒が多く、温病の発生は少なく、もっぱら傷寒方を用いることが多い。このように温病は季節による特徴があるので、別の名を「時令の病」ともいう。もちろん、環境・体質などにより季節外れの温病が発症することもある。
  5. 温病は《地域性》をもつ。中国は土地が広大で、長江を境にして北と南とでは気候が大きく異なっている。地域によって寒・暖・燥・湿に大きな違いがあり、特徴がある。例えば湿熱病は特に湿の影響を受けやすいため、高温多湿の地域に多発する傾向をもつ。
  6. 温病は《流行性》をもつ。このことは傷寒と大きく異なる点である。「一人これを受く、これを温と謂う、一方これを受く、これを疫と謂う。」文中の「一人」は単数の人を意味し、「一方」は多数の人を指す。個人が温邪に犯されれば《温病》であり、ある地域に伝染流行する病、(例えば学校の大半の人がインフルエンザに罹るようなものは疫病である。)一人の病は温病であり、特定の地域の多くの人の口・鼻のルートを通って伝染し流行する病は《温疫病》と解釈する。

温熱と湿熱の違い。

〈難治性疾患の治療〉

《偏頭痛》
片頭痛は臨床で非常によくみられる病症である。
繰り返し現れ、なかなか治癒しないという特徴があり、中医の「頭風」の範疇に属する。
頭風は規則性なく現れ、部位も左右が定まらず、突然発症して突然治まり、治癒後も外邪に遭うと再発することが多い。

―治療―
治療は暖・急期に分かれるが、平肝(肝の機能亢進状態を改善すること。)が治療の要となる。
片頭痛の発作は、風動木旺によるものが多いため、平肝定風を行うのがよいが、外風と内風は区別する必要がある。
内風は平肝熄風・降逆瀉火を行い、外風は疎風活絡・養血行血を行うとよい。慢性の片頭痛は、まず邪・正・虚・実を見極める。
治療過程は患者や原因により異なるため、養陰・柔肝・化痰・活血・通路・調神などを適宜行う。
また痛みの大多数は「不通」が原因であるため、片頭痛の治療の際には弁証をしっかり行い、捜風通路の薬材を配合するとよい。



《精神疾患》
中医学において精神疾患は「癲狂」「鬱症」「臓躁」「百合病」などと称されている。現代における精神疾患の発病は、特殊な場合を除くとほとんどがストレスが引き金となっている。
ストレスにより胆気が鬱して、精神活動が不活発となり生じることが多い。この胆気鬱滞の状態から鬱熱がひどくなり熱が心に移り、心熱が盛んとなり、脳神が乱れたり、逆に胆気が消耗して胆気不足になったりする。
精神疾患に対する漢方治療は一定の限界はあるものの、かなり優れていると考える。別の角度から考察してみると、例えば甲状腺機能亢進症の人のイライラ・怒りっぽい・不眠などの症状と、躁状態のイライラ・怒りっぽい・不眠などは症状としては似かよったものにみえる)。
これに対して、西洋医学はメルカゾールやプロパジールなどを投与し、一方では炭酸リチウム、デパケンなどを使用する。しかし漢方治療においてはどちらの場合でも、例えば陰虚内熱陽亢という弁証が成立するなら、治療は同一となる。
これらから、中医学の弁証論治の方が西洋医学の診断治療より、より病の根源に迫っている可能性が高いと考える。


〈精神疾患の弁証論治「鬱証」〉

鬱証は、脳神と心神・肝魂・脾意・肺魄・腎志の各間で機能が失調した後、気・血・痰・炎・瘀の病理変化が生じ、抑うつ気分などの精神症状を主体とする疾患である。
主に肝・脾・腎・心・脳の各間での生理変化に影響する。その病機の変遷は「肝に始まり、心脾を併発し、脳神へ上擾す」という経路をたどる。この疾患は男女ともに発症する可能性があり、四季を問わない。
「鬱」とは、滞り不通となることをいう。《鬱証》は、脳神と五臓神の生理機能が失調したために起こる一種の精神症状群であり、多くのケースで患者の情志の抑うつのために、内に臓腑の危機の阻滞を招く。
また血瘀・痰結・食滞・火鬱などの証候が誘発された場合も、多くが鬱証の範疇に属する。



参考文献
中医臨床【特集】日本で活かす温病学201403vol35no1 p21,p45,p50,p80
家庭の中医学(中医用語)
こっそり温病会♪


文責kuru