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kuru03-01407241509/実証と虚証・気血水* ......

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漢方の代表的な概念である
「実証と虚証」「気・血・水」の説明です。


〜実証と虚証〜
漢方で体質の分類には「実証」と「虚証」という言葉が使われています。
《実証とは「体質強壮な人」》、《虚証は「体質虚弱な人」》といった感じです。


どういった状態が実証・虚証なのか?

▼実証

  1. 固太り、または筋肉質のガッチリした体型で、栄養状態が良く声にハリがあります。
  2. 皮膚にツヤがあり、筋肉も弾力に富んでいてほどよく緊張をしています。
  3. 消化器系が強いため食べるスピードが速い。冷たいものでも平気。(多少食べ過ぎてしまっても特にトラブルを生じることはありません。)
  4. 一食くらいなら抜いてしまっても問題ないですが、一日でも便秘をしてしまうと不快に感じてしまいます。
  5. 夏は暑がりますが、バテることはなく、冬でも寒がる人が少ないようです。
  6. 通常寝汗はかきません。


▼虚証
  1. 虚証の特徴は、簡単にいうと実証の逆と言っていいでしょう。
  2. 栄養状態が良くなく、体型はいわゆる水太り、または痩せ型の下垂体質です。
  3. 声に抑揚がなく弱々しい感じ。
  4. 皮膚にはツヤがありません。筋肉に弾力がないため、とくに腹筋は薄くて弾力や緊張に欠けています。
  5. 食べる速度は遅く、食べ過ぎると胃もたれを起こしやすく、冷たいものを食べると腹痛や下痢を起こしてしまうこともあります。
  6. 暑さや寒さに弱いです。
  7. 夏はバテ気味になり、寝汗をかく人が多いようです。


▼中間証
実証と虚証の間に位置する証を「中間証」といいます。バランスのとれた状態となります。



〜気・血・水〜
「実証と虚証」に並ぶ漢方の代表的な概念が、この「気・血・水」です。
漢方では「気・血・水」を《身体を構成する要素》とみていて、この3つが身体の中にバランス良く存在し、
スムーズに巡っていることで、各臓器や器官は正常に機能することができると考えられています。

「気」… 元気、気力、気合などの気。目には見えない生命エネルギーを指します。
「血」… 身体を潤し、栄養を与えて支える体液のことで、赤い色をしたものが「血」であり、これは血液と考えます。
「水」… これも上と同じく身体を潤し栄養を与え支える体液で、無色の体液を「水」といい、血液以外の体液はほぼすべて「水」に分類されます。


□「気」の症状
【気が不足する「気虚」】
気虚に陥ると、だるい、無気力になる、疲れやすい、声や目に力が無い、風邪を引きやすいといったような症状が現れます。

【気の流れが滞る「気滞(気鬱)」】
気滞の場合、抑うつや喉のつかえ感、胸の詰まった感じ、お腹が張るといった状態になります。

【気が逆流する「気逆」】
気逆では、冷え、のぼせ、発作性の頭痛、動悸のほか、驚きやすいといった症状もみられます。

□「血」の症状
【血が不足する「血虚」】
血虚に陥ると、顔色が悪くなり、皮膚の乾燥や荒れ、抜け毛、眼精疲労、こむら返りなどの症状が見られます。

【血の循環が滞る「瘀血(おけつ)」】
瘀血は、女性には非常に多いもので、口の渇き、色素沈着、目の周りのクマ、腰痛、
不眠、不安感、月経不順などが主な症状となっています。

□水の症状
【水の流れが滞る「水滞(水毒)」】
身体の一部、もしくは全体がむくむ、尿量が少ない、拍動性の頭痛や頭重感、
胃からポチャポチャと音がする、気圧や天候に作用されるめまいや耳鳴りなどに悩まされます。




●それぞれの漢方処方
身体に不調を感じたときは、気・血・水のどれかが過不足状態にあります、あるいはどれかの流れが滞っている状態です。
どれに当てはまるかを見極めて、そのバランスを正常な状態に戻していくことが治療の基本となります。
ただし「気・血・水」は連動しているためにどれかひとつだけの異常ということはほとんどなく、たいていは他の要素もバランスを崩しているケースが多いそうです。


漢方は生薬を組み合わせて作られているため、複数の異常が生じていても、ひとつの処方で対応が可能です。
例えば、『当帰芍薬散』を構成する「当帰(とうき)」、「川芎(せんきゅう)」、「芍薬(しゃくやく)」は【血虚】を改善します。
「茯苓(ぶくりょう)」、「白朮(びゃくじゅつ)」、「沢瀉(たくしゃ)」は【水毒】を改善します。

『桂枝茯苓丸』の場合は、「桃仁(とうにん)」、「牡丹皮(ぼたんぴ)」、「芍薬(しゃくやく)」は【瘀血】を、
「茯苓(ぶくりょう)」は【水毒】を、そして「桂枝(けいし)」は【気逆】を改善してくれるのです。

これは総合力を持った漢方だからこそ出来ることなのです。



(文責kuru)