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では、ワクチンの効果とは?
インフルエンザワクチンの有効性ー>健康な成人ではワクチン株と流行株が一致した場合、発病防止効果が70-90%あるそうです。
国産ワクチンの有効性について、小児を対象とした報告ではー>抗原変異があり、ワクチンの効果の低下が予測されたインフルエンザA(H3N2)(香港型)の流行下において、78.1% (7〜14歳)と十分な効果があったと述べられています。B型では、ワクチンと流行ウイルスの抗原性が一致していたにもかかわらず、効果はやや低かったようです。(60.0%)
また、2012-2013年のA(H3N2)インフルエンザの流行では、ワクチン株と流行株ウイルスの抗原体が一致したにもかかわらず、健康成人でも発病防止効果が40-50%前後とかなり低かったことが国際的に報告されたようです。
国内にて、ほぼ全員がワクチン接種を受けた高齢者施設でも院内流行の発生が相次ぎ、ワクチンの効果は低下したということが推測されたそうです。(文献1より引用)
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厚生労働省のホームページにもあるように、インフルエンザワクチンは、接種したからといって感染を完全に防げるわけではないのです。軽度の風邪症状はやむを得ないと思ってください。
「インフルエンザのほとんどは、自然治癒するもの。ですが、肺炎、気管支炎、脳症、ライ症候群、心筋炎、中耳炎などの合併症を併発し、重症化したり、生命に危険が及ぶ場合があります。
季節性のインフルエンザは、ワクチン接種を行うことにより、インフルエンザの罹患する可能性が低くなる、あるいは罹患しても症状が重症化することを抑えることができ、合併症の併発や死亡する危険性を抑えてくれます。」(文献2より)
あくまで「インフルエンザの重症化を防いでくれるワクチン」だということを理解する必要があります。
実際に、ハイリスク者の方を主な対象としたワクチン接種が勧告され、その実施により、結果超過死亡数の減少がみられています。
インフルエンザの感染は直接防ぐことができないため、多くの方がワクチンを接種しない限り、流行の拡大を阻止することは困難なようです。ですが、重症化しなければ、他の人への感染も減少し、流行の拡大を防ぐことが出来るのではないでしょうか?
参考文献:
1)「プライマリケアのためのインフルエンザ診療(2014-2015)」/渡辺彰/医薬ジャーナル社/2014,9/大阪・東京/P31〜
2)「予防接種に関するQ&A集2012」/岡部信彦、多屋馨子/一般社団法人日本ワクチン産業協会/2014,8/東京/P118〜
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