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mother007-2/その2 ......


mother007-2@不幸にも感染してしまったら、病院に行くわけですが、せっかく支援などで抗生剤などが豊富にあり、服薬等が充分に出来たとしても、家に帰ってからが大切。たとえば、包帯やガーゼを清潔に取り換えるにはなにが必要でしょうか。やはり、清潔な水道水と、充分環境から隔離された下水道なのです。また疫病には、その運び屋が大きな役割を果たします。世界史の上で一番有名な疫病は、文句なく14世紀ヨーロッパのペストでしょう。死ぬ前に全身のチアノーゼが起こり黒くなることから「黒死病」といわれました。当事のヨーロッパの人口の1/3が死亡したと言われています。運び屋はネズミ。とても環境適応力が強く、メチャクチャに繁殖力がつよい。そんなネズミの駆除のいちばんは、町全体の環境が、ネズミに棲みにくいほど清潔であることでしょうが、今の被害状況から、それらインフラを整備するには10年でも出来るかどうか。それにたいするお金や、人材の投入は、被害諸国の経済だけでは不可能です。また、救援体制が充分にしかも迅速に出来たとしても、その間、生産活動と防疫活動にかかる金銭的、人材的分担、それに感染被害は、市民的生活を破壊する程でしょう。しかも一旦発生した疫病は、海外への流出をふせがなければいけませんね。それを隔離と言うのですが、隔離された地域での経済活動は、当然限局的なものになります。例えば、だれもその地域のバナナを食べようとは思わないでしょうから。
われわれや我々のこどもたちが、当然のように「元気」に暮らし、風邪をひいては病院に通っている日常。「病気がなおってしまう」という事は、私たち医師が主体ではなく、生活のインフラそのものの素晴らしさなのですね。しかもそれは、砂の家のように脆いものかもしれません。われわれも、今回の大災害を教訓に、健康を根本から考えなおし、そなえ、そして、被災した子どもさんや人々に、本当の愛を捧げたいものですね。