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pedi02-01610121000/小児亜鉛欠乏症 ......

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以下の文章は、文献先のP1373-1377より、ほぼそのまま引用している。
近年の環境変化により、小児亜鉛欠乏症が増加傾向にある。二次性徴の遅発傾向、難治性皮膚炎などの症例は亜鉛欠乏症を疑う必要あり。

小児の亜鉛欠乏症は、成長障害、性腺機能障害、肢端皮膚炎、易感染性を惹起し臨床上重要。低出生体重児、母乳栄養児では供給される亜鉛量が少ないことが少なくない。
2015年、東京近郊の児童300名中約30%に味覚障害があると報告ー>原因:亜鉛欠乏症 レトルト・インスタント食品への偏食か?他、過剰な運動も。

亜鉛トランスポーターZIP4の変異による腸管からの吸収障害は、典型的亜鉛欠乏症を起こす。同トランスポーターZnT4の変異は乳腺への亜鉛の分泌障害を起こす。それらの遺伝子性疾患は腸性肢端皮膚炎を主症状として発達遅延、易感染性などの症状がある。
血清亜鉛濃度はおおむね40ug/dL以下で亜鉛酵素のAlkali-Phosphataseの著明な低下がある。

食物アレルギーに吸収不良症候群を伴った腸性肢端皮膚炎類似の症例が報告されている。
レトルト・インスタント食品の過剰摂取による亜鉛欠乏症の発症。フィチン酸、ピロリン酸が多量に含まれ、亜鉛腸管からの吸収を阻害、味覚障害になるとされている。ー>生活習慣病の引き金に。
最近の亜鉛欠乏症の診断として、日本微量元素学会は血清亜鉛濃度の基準下限値80ug/dLを策定している。小児の基準値はなく、血清亜鉛65ug/dL以下を亜鉛欠乏症としている。亜鉛欠乏下では赤血球膜内のNa-K-ATPseに含まれるsulfhydril(SH;thiol)濃度が低下、赤血球膜の抵抗性が著しく減弱。


引用文献
衞藤義勝ら:小児科診療 第79巻 第10号,(株)診断と治療社,東京,2016 文責:kuru