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psyc06-01505281702/強迫性障害 ......
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psyc06-01505281702@
『 子どもの心の診療医の専門研修テキスト』
平成20年3月、厚生労働省のホームページより。
●不安の障害
2)強迫性障害
この疾患は、強迫観念(ある特定の考えが自分の意思に反して頭の中に浮かんでくること)と、強迫行為(それにより引き起こされる恐怖や不安などを打ち消そうと、同じ行動を繰り返すことを自分に強いること)により規定されるものだそうです。
◯強迫観念は、反復性、持続的な思考、衝動または心像であるとされ、一時期にせよ侵入的で不適切なものとされており、強い不安や苦痛を引き起こしてしまうことがある。その思考、衝動、または心像は単なる現実生活の過剰な不安ではないとされているようです。そして本人は、その思考や衝動、心像を抑制したり、何か他の思考や行為によって中和しようと試みているそうです。
◯強迫行為は、「繰り返し手を洗う」等といった反復行為、または「数を数える」等の心の中の行為とされ、本人は強迫観念に反応し、それを行うよう駆り立てられていると感じているそうです。そういった行動により、苦痛を予防したり、緩和したりすることを目的としているとされるが、この行動はそれによって中和したり予防したりとしていることとは現実的関連をもっていないし、また明らかな過剰であると述べられています。
- 明らかな成因は解明されておらず、家族性が高いことなどから強迫性障害を呈しやすい生来的素因があるのではないかと考えられているそうです。
- 強迫症状に関してはそれを引き起こした理由やその背景に関してはあまり重要視されておらず、寧ろ『強迫観念から強迫行為が引き起こされ、強迫行為により一時的な不安の軽減は得られるものの、すぐに不安の増強をむかえ再び強迫行為を行ってしまう』という悪循環なシステムによって症状が強化されていく、ということがこの疾患の本質と理解されているようです。
- 合併症・併存症ー> 併存障害を持たず、強迫性障害の診断だけ満たすものは半数以下であると言われているそうです。併存がしばしば論じられる障害としては、「チック障害・大うつ病性障害・恐怖症・過剰不安障害・抑うつ気分を伴う適応障害・注意欠陥多動性障害・反抗挑戦性障害・行為障害・分離不安障害・遺尿症・遺糞症」などであるそう。
- 「選択的セロトニン再取り込み阻害薬を中心とした薬物療法」「曝露反応妨害法を中心とした認知行動療法」「家族療法」「入院治療」など様々な対応を組み合わせることによって、ほとんどの強迫症状を認めないレベルにまで改善するケースは少数存在するとされているようです。
しかし「強迫」というもの自体、スペクトラム的な要素を持っているため、「強迫的ではあるが、生活を障害するほどではない」というレベルの状態まで安定し、治療終結となるケースの方が大多数だそうです。
強迫性障害に陥った子どもに対する治療としては当然のことですが、まずは患者と治療者間の信頼関係を築き、本人とその保護者の疾病に関する知識の2つが何よりも優先されることとなります。多くの子どもは不合理と思っていないまでも「何か変なことが自分の中で起こっている」と感じています。その部分を「治療者に共有してもらえる」と実感させてあげることで、後の治療の大きな助けとなる。と、小平さんは述べられています。(小平雅基さんより)
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