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以下は、文献先のp715-716より引用したものである。
●家族性大腸腺腫症(FAP)
遺伝性大腸ガン、あるいは消化管ポリポーシスの代表的疾患。
比較的まれな疾患であるため、臨床的対応にはしばしば苦慮することがあるようだ。
病因
APC遺伝子の生殖細胞系列の病的変異に加え、もう一方のアリルのAPC遺伝子の体細胞変異、あるいは欠失が大腸の上皮細胞に加わると異常腺窩巣が発生。
その後、異常腺窩巣から腺腫を経て大腸ガンが発生するには、KRAS遺伝子、TP53遺伝子などの発がんに関連する遺伝子に変異が加わる必要があると考えられている。
APCタンパクの機能異常によって細胞質内に蓄積したβカテニンは、細胞質内ー>核内への移行が増加。標的遺伝子(TCF4)の転写が促進されることがFAPにおける腫瘍発生に重要な役割を果たしていると考えられているようだ。
臨床像 大腸ガン
累積大腸ガンの発生率は、20歳で1%程度である。40代半ばには50%、70歳で90%
その分布は、S状結腸から直腸の遠位大腸に多い。一般の大腸ガンの分布と同様。
文献 青木大輔ら:日本医師会雑誌第145巻第4号,日本医師会,東京,2016
文責 kuru