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日本発のアレルギー研究最新情報!
以下の文章は下記の文献先よりほぼそのまま引用させていただきました。


●インフルエンザワクチン接種後のアナフィラキシーはワクチン成分に対するIgE抗体が原因?

インフル関連のアナフィラキシーはワクチン主成分であるインフルエンザHA抗原に対する特異的なIgE抗体により引き起こされる。そして微量に含まれる鶏卵抗原は関与しないため、リスク因子にはならない。

インフルのワクチン接種による、アナフィラキシーとは本当にアナフィラキシーなのか?
アナフィラキシーには必須条件として、majorおよびminor基準()がありカテゴリーがレベル1-5()に分類される。
この基準に照らし合わせることによって、非アナフィラキシーを除外することが容易。

●鶏卵アレルギーはインフルワクチン副反応のリスク因子なのか?
WHOの基準で、ワクチンの中の卵白アルブミン含量は10μg/mL以下にするといわれているが、日本で製造されているワクチンは定量限界の0.8ng/mL未満であるとのこと。これは米国では非常に少ない。
最近は、鶏卵アレルギー児に対するインフルワクチン接種の安全性について検討が進んでいて、重症な鶏卵アレルギー児であっても接種して危篤な副反応はなかったという報告がある。
「インフルエンザワクチン= 鶏卵アレルギーには危険」という考えは根強く残っているもの。

●2011-12にはインフルワクチン接種後にアナフィラキシー急増。
ワクチン接種後のアナフィラキシー19例をIVA群とし、年齢、接種歴が同程度の健常コントロール(N群)15名および重症鶏卵アレルギーはあるが安全にワクチンを接種できた10名(EA群)を対照において検討。
患者背景:EA群は全員が鶏卵によるアナフィラキシー歴があり、IVA群は鶏卵アレルギーは 4例(21%)のみで、いずれもアナフィラキシー歴はなし。軽症であった。

インフルワクチンに対する特異的IgE抗体測定(ELISA法)を行ったところIVA群で有意な上昇。コンポート別にインフルエンザHA抗原それぞれに対するIgE抗体を測定、いずれもIVA群で↑。
鶏卵抗原の影響を見るため現在のワクチンに用いられている鶏卵培養で得られたHA抗原に対するIgE抗体も測定、結果は同様。

インフルワクチン抗原刺激による好塩基球活性化をフェノキシエタノール添加の有無で比較したところ、低濃度の抗原刺激による反応がフェノキシエタノールの添加で上昇。つまりフェノキシエタノールがインフルワクチンに対するアレルギー反応を助長した可能性が示唆されたとある。

筆者らは不要な接種回避を避け、感染防御をきちんとしたい考えから、翌年アナフィラキシーを起こした患児に、フェノキシエタノールを含まない「安全」なワクチンを接種ー>予想通り、アナフィラキシーは発生しなかった。

インフルエンザワクチンによるアナフィラキシー原因検索のための検査



引用文献
衞藤義勝ら:小児科診療 第79巻 第10号,(株)診断と治療社,東京,2016,P1277〜

(文責:Kuru)