mother006@感染する外敵には、プリオン(体にもともとあるタンパクで、異種性のものや遺伝子変異を起こしたものは感染し、狂牛病などを起こす)、ウイルス、細菌、寄生虫などがありますが、小児に特有な感染で有名なものは、ウイルス発疹症で、麻疹、風疹、突発性発疹、水痘、それにおたふくなどがあります。これらはいづれも熱と発疹や腫れなどがよく研究されていますから、家庭医学書などの図表をよく参考にしてください。なお、水痘の場合、末梢神経に住み着いてしまって、後になって、帯状疱疹という形で発症することがあり、注意が必要です。私は、強い免疫が出来る前に特効薬の抗ウイルス剤を使うことが帯状疱疹の低年齢化に関係していると思っています。
最近の傾向として、季節と流行が以前ほどはっきりしなくなったと思います。よい例が現在苫小牧市内で流行中のアデノウイルス感染症です。この風邪ウイルスは、夏に小学生に流行する夏風邪の代表で、プ-ル熱と言われています。症状は目の充血や目やに、高熱、のどの痛みです。消化器症状もでることはありますが、お腹が痛い、程度でとにかく熱がつづくどちらかと言うと単純なものです。ところが最近流行しているものには、この消化器の症状が強く、強い腹痛や下痢が続いたり、解熱後に、ふらつきやめまい、頭痛がしばらくあったりと、症状が多彩がで、熱以外の症状が激しい傾向があります。アデノウイルスの仲間には流行性角結膜炎という、目の症状やリンパの症状が強いものがあり、これは、時に視力障害を残したりするわけで、種類や遺伝子変異の起きやすいウイルスでは、従来の診断に捕らわれない目も必要です。