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日本小児科学会雑誌にて、多職種連携により良好な予後を得た小児心筋炎の症例報告がありました。
雑誌よりほぼそのまま文章を引用し、報告いたします。
症例患者 3歳男児、13kg。第一病日に嘔吐、下痢 第三病日夜に数秒間の眼球上転を複数回。第四病日に顔色不良、脈不整。
前の医師より3度房室ブロックを伴う循環不全を認め、経口気管挿管下に経皮ペーシングを開始ー>搬送依頼を受けた。
依頼直後に前医に向けて陸路で搬送チームが出動したが距離が約40kmあったため、消防防災ヘリに要請を依頼。迅速に設定されたランデブーポイントで搬送チーム、患者、ヘリが合流し空路搬送することができた。
集中治療室入室後、心停止となるもすぐに心肺蘇生を開始すると、2分で自己心拍再開。体外式模型人工肺導入を要したが入院5日後に離脱、18日後に後遺症なく独歩退院。という症例報告である。
このように、多職種の連携が有効に働くことによって、円滑な搬送を実現させることができた。しかし今後は、重症小児の搬送手段や帰路は、搬送が必要と発生してから考えるのではなく、地域や施設ごとに時間帯、搬送先に応じて利用できる搬送手段を事前に確認し、定型的プロトコールの策定が必要だと述べられている。
文献)細野茂春ら:日本小児科学会雑誌120巻6号,公益社団法人日本小児科学会,東京,2016
文責:kuru