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日本医師会雑誌第145巻第4号,P715「家族性大腸腺腫症」より、ほぼそのまま引用
●家族性大腸腺腫症(FAP)は遺伝性大腸がんあるいは消化管ポリポーシスの代表的疾患。
1881年、大腸腺腫性ポリポーシスの存在が明らかに。1991年にFAPの原因遺伝子が第5染色体長腕(5q)に存在することがわかり、「APC遺伝子」と名付けられた。
APC遺伝子の生殖細胞系列の病的変異に、アリルのAPC遺伝子の体細胞変異が大腸の上皮細胞に加わると、異常腺窩巣が発生。そこから腺腫を経て大腸がんが発生するには、KRAS遺伝子や、TP53遺伝子などの発がんに関連する遺伝子に変異が加わる必要がある。
APCタンパクの機能異常で細胞内に蓄積したβカテニンは、細胞質内より核内へ移行が増加。標的遺伝子(TCF4)の転写が促進。>FAPの腫瘍発生に重要な役目
大腸腺腫数が1000個以上、100〜999個の場合、APC遺伝子変異同定率はおのおの80%、56%と報告されている。
文献)青木大輔ら:日本医師会雑誌第145巻第4号,日本医師会,東京,2016
文責)kuru