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Cmem14-01605071850/女性、子供のロコモ ......

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「女性のロコモティブシンドローム」

女性が要介護者の7割を占めるが、介護の主役も女性であることが多い。女性の健康寿命を延ばすには、運動器の健康が不可欠とされている。そのために、ロコモの普及啓発、骨粗鬆症の治療率を上げていくことが重要。


●ロコモティブシンドロームとは
運動器の障害にて移動機能の低下を来した状態であり、進行により要介護のリスクが高まる病態。
移動機能の低下を検出する目的として、ロコチェック(移動機能の低下に気づくための自己チェック法)、ロコモ度テスト(移動機能の低下を知るためのテスト)がある。

●運動器の健康の重要性
女性において運動器の健康は中高年期に重要性を増す。高齢期の自立は運動器に依存することが多く、さらに女性は男性よりも運動器疾患の有病率が高いとされている。

平成26年簡易生命表より、本国の女性の平均寿命は86.8歳(男性よりも6.3歳長い)。
推定寿命(平均余命+現在年齢)は、65歳ー>89.2歳、75歳ー>90.6歳、80歳ー>93.4歳と、現在の高齢女性は平均でも90歳またはそれ以上の寿命を持っている。
高齢化と共に要支援や要介護が増えるが、その認定要因の25%が運動器に関わる要因。転倒や骨折、関節の疾患や脊髄の損傷などといった要因が女性は特に多いとされている。

●中高年期に多い運動器疾患
骨粗鬆症(男性の3.3倍)、変形性関節症、変形性脊髄症とそれに伴う脊柱菅狭窄症。もともと筋力の弱い女性はサルコペニアになりやすい。加齢に伴う運動器疾患や運動機能の低下を包括する病態である、「ロコモティブシンドローム」は特に女性において重要な病態。

予防や改善法として、習慣的な運動や、適切な栄養摂取、活動的な生活が基本となっている。ウォーキング、ジョギング、自転車、水中歩行など。さらに中心的な運動として、スクワットと片足立ちが推奨されている。

また、成長期、20〜30代の女性のダイエットによる食事制限、成長期に運動習慣がない、日焼け対策として日光を避けるなどといったことから、筋量や骨量が少ない若い女性も増加し、運動器に問題が生じている。これからの高齢者を支えたり、その後自身も高齢者になっていく、全世代に向けた運動器の健康対策も併せて行っていくことが課題とされているようだ。


引用文献:五十嵐隆ら:日本医師会雑誌第145巻・第1号,日本医師会,東京,2016,P57



さらに日経新聞にも子供のうちに将来メタボやロコモにならないよう、生活習慣病の予防について触れられていた。

子供の太り過ぎなどのリスクを早期発見するためにも担任や養護・栄養担当の教論が生活習慣病などを授業で教え、身体計測で肥満度の算出をし、血圧や採血検査などで問題に気付かせることが必要。そこで異常が見つかれば医療機関で精密検査や指導を受けることになる。
個別指導で、それぞれ目標を立ててもらい(ジュースを飲まない、毎日体重を測る、など)健診を続けたことにより脂質が高い子どもの割合が低くなったという。
重度の肥満は体重を落とすのに時間がかかるため中程度のうちに始めることが大切。またいじめの対象にもなってしまうので早めのうちに対策を立てる必要がある。

ロコモティブシンドロームになるリスクが高い子どもが増えているという指摘もある。しかしこれは運動不足による柔軟性、筋力が低下した子どもだけではなく、運動のしすぎや誤った運動法などにより、手足や脊柱にスポーツ障害を負う場合があり、成人期に痛みや機能障害が残り運動継続が困難になり高齢期にはロコモになってしまうことも。

宮崎で2007年から小中学校を対象とした運動器の状態を調べた結果、運動器疾患の推定罹患率は、15年度までの計約5万人分の集計にて約10%であり、脊柱変形、下肢変形が多く、しゃがむ動作が出来ない子どもも約10%いたという。しゃがめないのは、全身を使った遊びをしないために足首やひざなどの関節が硬くなってしまっているから。体が硬くバランスがとれなかったり、転倒時に手で体をかばうことができない子もいるそう。

肥満傾向の児童は1970-2000で2-3倍に増加。背景には、栄養状態の向上や運動不足がみられる。


引用文献:日本経済新聞(2016.4.21)「子供のうちに予防教育」


文責:kuru