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Cmem18-01605281307/潜在性二分脊椎 ......

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Cmem18-01605281307@
下記のトピックスは、日本小児科学雑誌 第120巻 第5号の「下部尿路症状の腹部X線写真による潜在性二分脊椎スクリーニンク検査の必要性」の原著よりほぼそのまま引用させていただいています。


二分脊椎は、顕在性と潜在性に分けられる。潜在性二分脊椎(SBO)は一般小児の17%〜41.2%に認められる比較的ありふれた疾患。 夜尿症や昼間尿失禁などの下部尿路症状(LUTS)を有する小児は、健常小児と比較するとSBOが高率に合併。SBO合併例は治療抵抗性であることについては依然議論があるようだ。
今回LUTSのSBO合併率とSBOが治療効果に与える影響を調べ、SBOスクリーニング検査の必要性を検討。
<対象>過去9年間に週3回以上の夜尿、週に1回以上の昼間尿失禁を主訴に来院した患者で年齢は5歳以上15歳未満
腹部単純X線写真(腹部XP)にて腰仙椎の椎弓癒合不全が見られた症例をSBO陽性例とし、合併率、治療効果について検討。
<対象>夜尿症253名、昼間尿失禁175名の計428名。
SBO陽性例は夜尿症で85名(33.6%)、昼間尿失禁で36名(20.6%)、LUTS全体で121名(28.3%)。 この結果は過去に報告された一般小児の合併率とほぼ同等ということだそう。
夜尿症、昼間尿失禁の治療3ヶ月後の有効例の割合と治療2年以内に治癒した症例の割合は、SBO陽性例とSBO陰性例の間に有意差を認めなかったと述べられている。
著者の池田さんらによると、SBO合併率と 短期、長期的な治療効果の検討により、夜尿症と昼間尿失禁などのLUTSに対し、腹部XPによるSBOスクリーニング検査を行う必要性は、乏しいを考えられたようだ。


引用文献
細野茂春ら:日本小児科学雑誌 第120巻 第5号,公益社団法人日本小児学会,東京,2016,P852〜

文責:kuru