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dose01-01610161300/神経伝達物質 ......

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以下の内容は、文献である、人体機能生理学(改訂第5版)のP120-130の内容をほぼそのまま引用させていただいている。


コリン系 アセチルコリン
アミノ酸系 グルタミン酸、GABA、グリシンなど
モノアミン系 ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン
ペプチド系 P物質、エンケファミン、など

これらは作用により、興奮性伝達物質と抑制性伝達物質に分けられる。(はっきりしない場合があるので一概には決められない。)

Aという物質を伝達物質としているニューロンをA作動性ニューロンと呼ぶ。
伝達物質と同じ作用を持つ物質を「作動物質(アゴニスト)」
抑制的に作用する物質を「拮抗物質(アンタゴニスト)」


●アセチルコリン(ACh)
運動神経末端から自立神経節では交感神経及び副交感神経の節前線維から放出ー>ニコチン性ACh受容体に結合ー>興奮性伝達物質となる。副交感神経の節後線維から放出されるAChは、平滑筋などのムスカリン性アセチルコリン受容体に結合ー>アトロピンによって遮断。
脳には両方の受容体が存在。大脳皮質、大脳基底核、視床、海馬、扁桃体、脳幹などでAChが伝達物質として機能している。
<受容体>
サブタイプ:イオンチャネル型(ニコチン性)
筋型
神経型
      G蛋白質共役型(ムスカリン性) 
m2,m4
m1,m3,m5

●ノルアドレナリン、アドレナリン
L-フェニルアラニンー>L−チロシンー>L−ドーパミンー>ドーパミンー>L−ノルアドレナリンー>L−アドレナリンという代謝過程で産生される、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンは「カテコールアミン」と総称する。
ノルアドレナリンは交感神経節後線維の伝達物質。中枢神経にも広く分布。脳幹の青斑核や網様体にあるノルアドレナリン作動性ニューロンは、大脳皮質、大脳基底核、小脳などに線維を送っていて、脳の意識レベルに関与し、レム睡眠を誘発する。
アドレナリン作動性ニューロンは、延髄の網様体に存在し、広範囲に線維を送っている。
<受容体>
サブタイプ:G蛋白質共役型(ムスカリン性) 
α1
α2
β1,β2,β3

●ドーパミン
アドレナリンの前駆物質であるドーパミン作動性ニューロンは、黒質と被蓋に特徴的に存在し、線条体へと線維を送っている。
パーキンソン病は黒質に変性があり、前駆物質L−ドーパミンの投与が有効。前脳辺縁系におけるドーパミンは情動行動に関連、統合失調症と密接な関係にある。
<受容体>
サブタイプ:G蛋白質共役型(ムスカリン性)
 D1,D5
D2,D3,D4

●セロトニン(5-HT)
トリプトファンから生合成される。セロトニン作動性ニューロンはとくに脳幹の縫線核や網様体から大脳皮質、大脳基底核、海馬、脊髄など広範囲に線維を送る。
セロトニン作動性ニューロンの機能低下ー>統合失調症、うつ病と関連。LSDは幻覚誘発作用を示すが、機能的にセロトニン受容体の数を減少させセロトニンの作用を抑制。一方セロトニントランスポータを阻害する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)はセロトニン濃度を上昇させ、抗うつ薬として使用される。 <受容体>
サブタイプ:イオンチャネル型(ニコチン性)
      5HT-3
      G蛋白質共役型(ムスカリン性)
      5HT-1
      5HT-2
      5HT-4
      5HT-5
      5HT-6,5-HT7

○P物質(サブスタンスP)
細動脈拡張および平滑筋収縮を起こす物質として同定されたペプチドであり、タキキニン類。
交感神経節における伝達物質の一つ。体性感覚の一次ニューロンのうち痛覚線維を含めた比較的細い神経線維がP物質を伝達物質としているとされる。中枢神経系では、線条体から黒質や淡蒼球へ投射するニューロン伝達物質。

○トランスポーター(輸送体)
シナプス全神経終末には、一旦放出された伝達物質を取り込むための輸送体が存在。伝達物質の取り込みはシナプス伝達を終わらせるとともに、伝達物質を神経終末に再補給(再利用)する役割を持つ。輸送体は受容体と同様に各伝達物質に特異的。


引用文献
杉晴夫ら:人体機能生理学(改訂第5版),株式会社南江堂,東京,2009

文責:kuru