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gomari-01503120923/肝炎test ......
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gomari-01503120923@
わが国における慢性肝炎・肝硬変の主要な原因は肝炎ウイルス(HBV、HCV)感染であり、全体の9割弱を占めている
他疾患(非アルコール性脂肪性肝炎<NAFLD>)の増加などから、近年その比率は低下傾向にある。
他 アルコール性、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原因不明の場合
◯C型肝炎
C型肝炎治療薬に関する新規抗ウイルス薬の開発の治験は精力的に行われている。将来的にわが国においてもIFN(インターフェロン)を使用しない経口薬が使用可能となる。だが、その治療法を待機するか、現時点での治療を行うかの最適症例の選択,治療導入に関しても肝臓専門医にコンサルト
1.抗ウイルス療法の対象症例
肝硬変への進展および発癌が予想される症例がおもな対象。抗ウイルス療法は、患者の状態・医療経済も考慮にいれ、慎重に選択
2.抗ウイルス療法の実際
- ゲノタイプ1型・高ウイルス量(HCV RNA>5 log copies/ml)(「今日の治療薬2015」浦部昌夫ら編集、南江堂、2015、p770,771,図1)
- PEG-IFN α-2a(ペガシス)または、PEG-IFN α-2b(ペグイントロン)
- リハビリン(コペガスまたはレベトール)
- シメプレビルナトリウム(ソブリアード)
の3剤併用療法を24時間行う。
初回治療例および過去のIFNまたはPEG-IFN+リバビリン併用療法(前治療)にて治療中にいったんウイルスが消失するも再発した症例(relapser)ではウイルス排除が期待されるが、前治療無効例ではウイルス排除率が低い。したがって、原則として前者では3剤併用療法を行い、後者では肝線維化進行例で肝硬変への進行、あるいは肝発癌のリスクが高い症例では同治療にchallengeし、肝線維化が軽度な例は次世代治療を待機する。その際、後述の「橋渡し治療」にて現状の肝機能を保持
治療は→3剤併用療法を含めたIFN治療、経口抗ウイルス薬は公的医療費助成制度の対象
- ゲノタイプ1型・高ウイルス量以外の症例
PEG-IFN α-2b(ペグイントロン)、リハビリン(レベトール)併用療法を24週間行う。将来的には経口薬が使用可能となる。
- 橋渡し治療
現在の治療では治癒が期待できず、新規治療まで待機可能な症例は、無意味な抗ウイルス療法は行わず、炎症(AST、ALTの上昇)を抑止する治療を優先することによって現時点での肝予備能を保持し、将来の経口薬治療につなぐ。
- ウルソデオキシコール酸(ウルソなど)600〜900mg/日の内服から開始、
- 効果がない場合→グリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンシーなど)の静脈内投与(40ml〜100ml)を週3回〜連日施行する。
低用量のIFN療法(PEG-IFN α-2a(ペガシス)45〜90ug、1〜2週に1回)もトランスアミナーゼやAFPの低下効果が報告されている。
- これらの治療で効果がなく、血清フェリチンが高値の症例では瀉血療法も有効である。
「 肝炎の治療および発癌抑制を目指した血清ALT正常C型肝炎例の治療ガイドライン(表)」
(「今日の治療薬2015」浦部昌夫ら編集、南江堂、2015、p769,表1)
3.新規治療法
さまざまな新規抗ウイルス薬(DAAs)が開発され、治験も精力的に行われている。特にIFNを用いない、
- NS5A阻害薬+NS3-4A阻害薬
- NS5A阻害薬+NS5B阻害薬の治療レジメンは副作用が少なく、ウイルスの排除も良好(85〜100%)と報告されている。
これらの治療法が認可されるまで待機するか(1の場合IFN不適格の未治療、あるいは不耐容の患者、または、IFNを含む治療法で無効になった患者に対し、2014年9月2日に保険適用)、現状のち療法を行うかについては個々の症例にて慎重に検討。
また安易なDAAsの使用は端正ウイルスを誘発し、将来の治療の妨げになる可能性があることを念頭に置く。これからの経口薬は副作用が少なく、かつ治療効果が高いことから、今後、主流に.ただし、耐性ウイルスの有無、費用対効果を含め適応については、慎重に検討
◯B型肝炎
1.抗ウイルス療法の対象及び治療目標
HBs抗原が陰性化するとさらに発ガン率が低下。→ALT持続正常化、HBs抗原陰性かつ、HBs抗体陽性、HBV DNA抑制を第一目標。→最終的にHBs抗原陰性化を目指す。
ただし、HBV持続感染者は、免疫寛容期->HBe抗原陽性慢性肝炎期->HBe抗体陽性慢性肝炎期->非活動性慢性肝炎期->回復期 と自然経過を辿る、よって治療に関しては、年齢・挙児希望など社会的背景も考慮し、個々の症例に適した開始時期、方法を決める
2.治療薬
現在、HBV持続感染者に対する抗ウイルス療法として、『IFN』と『 核酸アナログ製剤』が用いられている。
- IFN;抗ウイルス効果は不確実。耐性株の出現はない、免疫賦活作用がある。
- 核酸アナログ製剤;現在、B型慢性肝疾患に保険適用となっているもの→ラミブジン(ゼフィックス)、アデホビル ピボキシル(ヘプセラ)、エンテカビル水和物(ラクルード)、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(テノゼット)の4剤。
わが国の酢酸アナログ製剤導入初期に使用されたゼフィックスは高率に耐性ウイルスが出現するため、もはや第1選択としては使用すべきではない。(急性肝炎時は、速やかな血中濃度上昇から短期的に使用する場合あり)バラクルード、テノゼットの耐性ウイルス出現の可能性はきわめて低い。ラミブジン耐性ウイルスに対する治療にはヘプセラとゼフィックスの併用が推奨されている。ヘプセラとテノゼットは腎障害が報告されており、低リン血症を示すFanconi症候群の出現に注意し、出現時は薬剤の減量もしくは核酸アナログ製剤の変更を行う。
B型肝炎;年齢・病期に加えて治療法が異なること。核酸アナログ製剤の投与は肝炎の鎮静化や肝発癌のリスクを軽減できるが、長期服用が必要。独断中止してはダメ。HIVにも感染している場合は、エンテカビル水和物が使用出来ないので、HIV検査が必要であることも説明。挙児希望についての聴取も大切。
3. 抗ウイルス療法の基本方針
◯文献
1 「肝炎の最新治療」「ガイドライン外来診療2015(第15版)」泉孝英ら編集、日経メディカル開発、2015
2 「今日の治療薬2015」:浦部昌夫ら編集、南江堂、2015(p773,図3)
文責;kuru