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「東日本大震災後の子どものメンタルヘルス支援:宮古・子どものこころのケアセンターを受診した症例の検討」
#1 問診ー患者の訴え
《家族の状況》家族・親族が地震または津波の被害で死亡した症例は全体の28%【 図】
《相談内容》「不登校」(18%)、「身体症状(頭痛・吐き気・動悸など)」(17%)、「行動面の問題(多動・乱暴な行動)」(17%)
精神症状としては、うつや不安、イライラ感、フラッシュバックと思われる症状を呈したもの。【 図】
《診断内訳》ストレス(トラウマ)反応と適応障害が全体の半数以上を占めた。
自閉症スペクトラム障害・多動性障害・知的障害などの発達障害が全体の4分の1を占めていた。【 図】
#2 症状
震災の影響による不登校や身体症状(めまい、立ちくらみ、頭痛、不眠、急にぼんやりする)・多動、乱暴な行動や言動をとる。適応障害、ストレス反応。
#3 検査
こどものこころのケアセンターの受診し相談治療
#4 症候群の名前
#5 病気の名前
#6 治療
震災に特化したトラウマ治療のための特別な方法論を必要とするケースは少なく、心理士によるプレイセラピーや近隣の小児科医療機関と連携し薬物療養を含めた治療的なアプローチで対応可能であった。
すなわち災害後の子どもの心のケアについては、通常の子どもの心や発達を取り扱う臨床の延長線上にあるととらえることが可能である。
#7 合併症
#8 鑑別診断
#9 予後 (これからの状況や予測)
急性期に盛んに行われたトラウマ治療についての研修や心理教育的な方法論を用いた介入について、今後その結果・効果について客観的に分析する必要があると考えられる。
スクリーニングやモニタリングといったより子どもたちの生活の現場に近いところでの支援については今回の児童相談所の枠組みで行うことは難しく、
教育機関や他の支援機関・チームとの連携・連絡は十分であるとはいえない反省がある。役割分担と情報共有のありかたを今後検討・設備していく必要がある。
今後も宮古・子どものこころのケアセンターでの支援を継続し、その検討を行う予定である。
#10 文献
小児の精神と神経 251001vol.53no.3 p259〜
著者関係部署
● 宮古児童相談所
住所:〒027-0075 岩手県宮古市和見町9番29号
電話:0193-62-4059
ファクス:0193-62-4054
● 岩手県保健福祉部児童家庭課
文責kuru