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『 子どもの心の診療医の専門研修テキスト』
平成20年3月、厚生労働省のホームページより。
●特異的発達障害・学習障害(P54〜)
◯小児における「特異的言語障害」は、特異的言語発達遅延と言い換えることもできる。表出性言語遅延と受容性言語遅延に大別される。言語遅延は以前より学童の3〜5%にみられるとされてきたが、特異的言語障害の有病率は分かっていないようだ。あきらかな原因は不明であり、表出性言語遅延は男児に多い点から、言語発達の性差や遺伝的な要因が示唆されているよう。非言語的な知的発達は正常だが言葉の表出の遅れ、2歳過ぎでも有意語のないもの、3歳時点で2語文のないものは言語遅滞と考えるそうである。表出性言語遅滞は比較的予後良好であるが、受容性言語遅滞は言語理解の発達について就学後まで経過を追っていく必要があり、また知能検査が必要となる場合もある。学習面の適応状態・友人関係を保てるか、遊びの決まり事や状況の理解に困難さがないかを尋ねる。学童期以降、学習障害、高機能広汎性発達障害、注意欠陥/多動性障害の要素がみられないかに注目する必要があると述べられている。(板垣真澄さん)
◯「学習障害」は医学的に明確な定義がなく、疾患単位として読字障害、算数障害があげられるそう。教育学的に学習障害は、全般的な知的発達の遅れがないものの、聞く・話す・読む・書く・計算するまたは推論する能力のうちの特定のものの習得と使用に明らかな困難を示す様々な状態を指し、中枢神経や環境的な要因が直接の原因となるものではないようである。学習意欲が十分にあることが前提であるが、不成功体験が多くなると二次的に意欲低下を来すこともあるそう。また明らかな原因は不明とされているようだ。自然に軽快することはなく、何らかの介入が必要。読字障害の機能的障害部位の個人差が大きい。本人にもっとも適した指導法が必要であると述べられている。(板垣真澄さん)
症状の現れ方については、特異的発達障害・学習障害はいくつかのタイプに分けられているが、乳幼児期の発達経過のなかでよく認められる特徴には共通点も少なくないようです。(参考文献; goo ヘルスケア)
文責;kuru