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psyc05-01504181654/心身症* ......

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子どもの心の診療医の専門研修テキスト
平成20年3月、厚生労働省のホームページより。


◯心身症とは
心身症とは、何らかの身体的な疾患が、精神の持続的な緊張・ストレスによって発生したり、症状の程度が増減するもののことを言います。この病気は多くの方がご存知でしょうが、その内容を理解している方は少ないようです。
神経症、いわゆるノイローゼと呼ばれるものや、うつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外するとあります。よくこれらの症状と混同され、「こころの病である」と勘違いされてしまうことが多々あるそうです。

「こころの病」と捉えるのは間違ってはいませんが、少しだけ本質から外れた捉え方となるようです。心身症という病気は特定の病気を指すものではなく、心が大きく関与する病気の群に名付けられたものであって、一番重要として考えることは基本は「からだの病気」ということだそうです。少し難しく言うと「精神疾患」ではなく、「身体疾患」だということですね。その身体疾患とは、ストレス性の潰瘍、高血圧、心因の影響が大きいとされているようです。
またこの心身症を患っている方は、自分ではストレスを感じない、自分は元気だから悩んでいないと思い込んでしまうそうです。これを『アレキシサイミア』と呼びます。心身症になりやすい人は『アレキシサイミア』と呼ばれるタイプの方が多いそうです。この『アレキシサイミア』というのは、日本語に訳すと「失感情症」とされる。しかしこの場合、無感動など感情の変化を失うということよりも、あくまで「自分の感情を表に出さない」「不安や緊張が強い」「自分のことを表現するのが苦手」などといった方に多いとされるそうです。本当は辛いのに、その意識がなく無理をしてしまうため、その結果内面にたまったストレスが身体臓器を通じて現れてしまいます。


さて、子どもの心身症についてです。

  1. 心身症は0歳児から出現し、年齢があがるにつれ、種類・患者数共に増加していく傾向にあるそう。年齢により同じ病名でも病態が異なるものと、ほぼ同じと考えてよいものとが、あるようです。
  2. 子どもの心身症で重要なものとして、『気管支喘息』と『アトピー性皮膚炎』があります。これらは一般にはアレルギー疾患に分類される群であり、次に自家中毒と呼ばれる『周期性嘔吐症』、子どもの繰り返す腹痛や頭痛も心身症として考えた方がよい場合も多く、代表的なものとして『過敏性腸症候群』であるとされているそうです。
  3. 同じ消化器系に分類される摂食障害は、小学高学年から散見され思春期に増加し、未だに数は多くはないが、心身症を理解する上で重要になる場合が多いそうなので、初期から専門家に診てもらう必要があります。
  4. 乳児期では、消化器系疾患(嘔吐・繰り返す腹痛・下痢や便秘)、心因性発熱、脱毛、アトピー性皮膚炎が主な心身症ですが、これらは一般には心身症とは認識されていないそうです。症状が長引く場合や通常の身体的治療に反応しない場合にのみ、母親の精神状態・環境に注意を向けることが治療への早道だと述べられています。
  5. 不登校の問題ですが、これは厳密な意味では心身症とはいえないそうです。ですが神経症からの精神病、発達障害も含め、あらゆる病態に出現し、初期に身体症状(不定愁訴)をほぼ100%認めるようなので、心身医療が必要となり、親御さんもそれを認識しなければなりません。こうすることによってこの問題はかなり改善することが出来ると考える。
と、述べられています。(冨田和巳さんより)

心身症を理解するにあたって大変勉強になりました。
もっとも重要なことは、「心の病気」として捉えられがちな『心身症』とは「身体の病気」であるということ。ですが、その発症や経過には「心理・社会的心因」が大きく影響しているものである、ということを抑えておく必要がありますね。
また「心療内科」という科は、心理治療をする内科であるため、この心身症を専門的に診る医療機関となります。


その他の引用・参考文献;
http://www.jisinsin.jp/outline.htm日本小児心身医学会 『心身症とは』冨田和巳さんより


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