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psyc06-01505240858/食欲不振・若年期* ......
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psyc06-01505240858@
『 子どもの心の診療医の専門研修テキスト』
平成20年3月、厚生労働省のホームページより。
◯摂食障害
1)神経性食欲不振症
(1)若年期発症
- 10代前半の発症は心身のダメージが大きいため、栄養障害による成長障害や骨粗しょう症、不妊、不育などの問題がみられるそうです。死亡率も高くなり(1〜10%)危篤な心身症であるとされ、近年では発生数(主に10ー15歳の前思春期)の増加、低年齢化、さらには拒食症から過食症へ行こうする例が増加してきているようです。
- 成因;遺伝的素因、体質や性格、心理的・社会的・文化的要因の絡み合いが想定される。ダイエットが原因となってくるものも多いが、心理的なストレスや胃腸炎から食べられなくなって体重が減少し、発症する場合もあるそうです。
- 脳腫瘍や、汎下垂体機能低下症など鑑別は難しくないが、うつ病・統合失調症の部分症状と鑑別がはっきりしないところがあるようです。
- Laskらの診断基準として、
- 頑固な過食、減食
- 思春期の発育スパート期に身体・精神疾患がなく、体重の増加停滞・減少がある
- 以下のうち、2つ以上がある →体重にこだわる。カロリー摂取にこだわる。ゆがんだ身体像。肥満恐怖。自己誘発嘔吐。過度の運動。下剤の乱用
これらの3つを満たしていると「神経性食欲不振症(若年期発症)」といえるそうです。
- よく見られる合併症・併存症(上記リンク先より、そのまま画像にて、引用させていただきました。)
- ダイエットや別の何かの理由(胃腸炎や心理的ストレスで食べられなくなったなど)で体重減少し、そこから食べることに恐怖を感じ、痩せるということへの有能感(ダイエットハイ)を味わい、さらに体重減少により、標準体重の70%ほどまで減ると身体的にはつらくなるが、もう後戻りできなくなり、必要最小限のカロリーも摂取できなくなってしまうようです。
※標準体重の75%をきると入院適応。60%をきると強制栄養(経管栄養など)の適応、55%をきると死亡率が高くなるそうです。
- 栄養障害が強いときは心理的対応に反応しにくいため、身体面への対応を行うそう。
(以下に治療として、記事を書かれている井口敏之さんによる、一つの方法をそのまま引用させて頂きます。)
『初期対応 ー> 肥満度の計算、成長曲線の作成、脈拍数(安静覚醒時 60/分未満)の測定。成長曲線を見ながら現状の把握を行い、脈拍が60未満であれば身体が冬眠状態になってきていることを正しく告げる。本人や、家族が「病気であること」の理解をすすめ、栄養摂取と休養が必要なことを教育する。本人の栄養摂取への抵抗が強い場合、栄養のめどとして体重の増えない1日1000カロリーの食事を思い切って3食きっちり食べることを目標にするとよい。
患者と相談して、モサプリド・六君子湯・大建中湯などを使用し、消化管の運動を助けるのもよい。』
上記の対応の外来治療で体重が維持できずに減少していく場合は入院治療を選択したほうがよいそうです。
- なお、退院レベルになっても、精神的に脳機能的にまだ社会生活(学校など)は難しいので、自宅で気ままに生活する時間(自己主張ができるようになる)を大切にし、ゆっくり復帰させるのがコツだそうです。最終的には女の子の場合、規則的な月経が来るのを確認することが大切である、と述べられています。(井口敏之さんより)
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