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psyc06-01505271822/食欲不振・思春期 ......
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psyc06-01505271822@
『 子どもの心の診療医の専門研修テキスト』
平成20年3月、厚生労働省のホームページより。
◯摂食障害
1)神経性食欲不振症
(2)思春期発症
思春期発症の神経性食欲不振症の臨床像は成人と似ていて、性格特性は思春期になると従来言われている摂食障害の典型的なタイプが増えてくるそうです。
- まじめで成績優秀で評判が良い、自己評価は低く人生をコントロールしている感覚を持てない。普通の思春期にみられる「やせて美しくなりたい」という願望は神経性食欲不振症でみられる精神病理とは区別して考えるべきだそうです。一般には肥満恐怖、身体像の障害などの中核的特徴を認め、目標体重を低く設定してしまうというもの。
- 基本的な症状
- 精神症状 やせ願望・肥満への恐怖・身体像の障害など中核症状の他に、うつ病、強迫神経症を合併しやすいとされているそう。
- 行動異常 摂食行動(拒食・隠れ食い・盗み食い・過食)・排泄行動(自己誘発性嘔吐、下剤や利尿剤の乱用)、過活動など。
- 身体的症状 生命への危機を伴うほど重篤であるにも関わらず、疾患の深刻性を否認し病気に対する知識が乏しいことがしばしばあるよう。それに、飢餓によって生じる精神症状(集中力低下、抑うつ、無気力)が加わり、治療初期には恐怖や拒否も強いことが多いとされているよう。これに関しては、まずは親御さんや本人との良好な治療同盟を結ぶことが最も重要なポイントといえるそうです。
- 性差は「男:女 1:10」と圧倒的に女子の方が多いようです。また、神経性食欲不振症患者の一等親の親族で摂食障害の発症率が高いことや、双生児研究の結果から遺伝的要因が示唆されているそうです。
- 成因としては、遺伝・生物・社会・心理的な要因な複雑に絡み合い発症。摂食障害の発症を単独で説明できる因子はなく、青年期早期では特に身体変化が神経性食欲不振症の発症と関連するそうです。
- 経過として、、一度の体重減少のみで回復する患者から、慢性的に低体重が続いたり再発を繰り返す患者まで経過はさまざまだそうです。親との良好な関係、抑圧した否定的感情を表出することで良好な回復の予測がされています。逆に長期にわたる罹患期間、高度の低体重、自己誘発性嘔吐・下剤・利尿剤などの排泄行動、社会適応が悪いことにより予後不良となってしまうようです。
本人のやせ願望・肥満恐怖などについて患者との直接的な説得・論争は避け、病気の症状として対応すること。また、本人の治療への抵抗と消極的な態度は治療の妨げとなってしまうので、基本姿勢としては共感的に接し、傾聴することによって患者自身の持つ動機付けを引き出すことを基本にする必要がある。 と述べられています。(清水誠さん、生田憲正さんより。)
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