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psyc07-01506070930/社会不安障害 ......
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psyc07-01506070930@
『 子どもの心の診療医の専門研修テキスト』
平成20年3月、厚生労働省のホームページより。
●不安の障害
4.社会不安障害
社会恐怖の基本的特徴として、「恥ずかしい思いをするかもしれない」という社会的状況または行為状況に対する顕著で持続的な恐怖をいう。主に思春期に診断されることが多いとされるが、8歳で社会恐怖と診断される場合もあるようです。
強いストレス体験や恥をかくような体験に続き発症することも、潜在的に徐々に発症するといったケースもあるそうです。
- 年少の子どもでは、頻繁な癇癪を起こしたり、養育者にまといついて、学校での活動を拒絶するなどといった現れ方を。思春期の子どもでは家族から離れることを恥ずかしがったり、社会的な集まりや仲間関係を恥ずかしがるという現れ方をするそうです。
また遺伝・家族性としては、生物学的第一度親族に社会恐怖が多いとされているようです。
- 社会恐怖は直接的に他者の評価にさらされる状況だけではなく、間接的に他者の評価を受ける状況でも恐怖感が出現するそうです。よって、対人関係が大きく拡大し、自我の確立が課題となる思春期や受験などで他者の評価にさらされる機会を多く持つことから、思春期の発症が多いと考えられているようです。
- 合併症・併存症
1.身体面
恥ずかしい思いをする可能性のある症状(例;パーキンソン病の振戦、吃音、肥満、斜視などお)を伴う一般的身体疾患があるときに、社会的不安や回避を示す場合がある。
2.心理・行動面
鑑別する必要のある不安障害としては、
(1)広場恐怖を伴う、または伴わないパニック障害、(2)分離不安障害、(3)全般性不安障害、(4)特定の恐怖症、があげられます。
なかでも分離不安障害の子どもは社会的状況を避けることがありますが、それは世話をしてくれる人から離れることに対する心配のためだそうです。分離不安障害の子どもは、自分の家の中での対人的状況では気分は落ち着いていますが、社会恐怖の子どもは恐怖する社会状況が家の中で起こっても不安になってしまいます。
- 社会恐怖と近い症状として、「パニック障害」を合併したり、「自己臭恐怖症」、「醜形恐怖」、さらには「ひきこもり」などでも、対人恐怖に背景に持つことに注目をする必要があるそうです。
「ひきこもり」に関してはすべてが対人恐怖とは限らないものの、その発生数の増加や、不登校との関連性などをめぐり今後さらに検討が必要な領域であるとされているようです。
- 選択性緘黙(せんたくせいかんもく)は社会恐怖と関連が深い疾患だそうです。選択性緘黙の子どもはほとんど社会恐怖の診断基準を満たすと言われ、「内気、決まり悪いことへの恐れ、ひきこもり」が選択性緘黙の子どもによく見られ、社会的不安の表れであると強く示唆されているそうです。
- 臨床的には、抑うつ気分や高い不安特性と関連していて、さらに物質使用の増加ともに関連するといわれているようです。社会恐怖の子どもは社会的技能の欠陥があるとされ、社会的および職業的に著しい障害を示す可能性もあるそうです。また発達的に適切な活動に参加することを拒否するため、反抗的な子どもとみなされることが多いそうです。
- 恐怖している社会状況への暴露により、ほぼ必ず不安反応が誘発されるため、状況依存性、または状況誘発性パニック発作が表れることがあるそうです。子どもの場合、泣く・癇癪を起こす・立ちすくむ・またはよく知らない人と交流する状況から遠ざかるといった形で、恐怖が表現されることがあるようです。
持続性の場合が多いため、社会恐怖の症状は生涯に渡り持続するケースが多いが、生活上のストレス因子や要求に伴って変動することが多い、と述べられています。(渡辺京太さんより)
kuru