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psyc08-01603091845/1.統合失調 ......
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psyc08-01603091845@
「反面教師としてのDSM-精神科臨床診断の方法をめぐって」より
S16
DSMは何ゆえに確とした症状用語(術語)を用いずに日常語で済ましてしまうのか
S17
どうしてまず最初にその人間の印象ー眼光や挙動、その時発信している空気を感じようとはしてくれないのか
S21
他者からの批判によっても訂正されないという訂正不能性が欠けている。
S25
うつ病の三代微小妄想と言えば心気妄想、貧困妄想、罪責妄想
S27
自己は、体験に対してはまったく被動的立場に置かれている。
S28
(3)+(5)で慢性期の知情意減弱状態が診断できることになる
S31
DSM診断では診断名を確定するには症状数がある一定数以上なければならない
S37
それというのも、記述式に比べると選択式の解答というのは自分が持っている知識がいい加減であっても正解を得ることが出来る
S50
離人症性障害の診断根拠となった離人症は、内因性若年ー無気力性不全症候群の症状と見なしうる
S57
より軽症の疾患である可能性を考慮しつつも、なお決然とそうと、すなわち重症の疾患であると診断し、それに対応した治療を始めなければならない
S64
- 時として十分には言語化できなくとも知悉していくこと
- 自ら経験することこそが最良の‘腕を磨く’ことになる
- 従来の治療はEvidence(証拠)に基づいていないという認識がある
- 予測される効果発現時期以前にすでにある薬剤を無効と判定して他剤に切り替えたりする例に出会うことがある
- DSMによって教育された精神科医がただただ操作的診断基準の機械的な適応しかできないという先例をみれば、火を見るより明らかなこと。先の反論は机上の空論と思われる
S72
私が「うつ病」と呼んでおりますものは内因性うつ病を初めとする広義の内因性の6種に限っていること。
S74
うつ状態の4種型。その4種とは、悲哀・制止型うつ状態、不安・焦燥型うつ状態、憂鬱・煩悶/逃避型うつ状態、疲弊・茫然型うつ状態です。
S76
- 内因性うつ病とはひたすら「死に向かう病」
- 悲哀・制止型うつ状態。「哀しい」、「寂しい」、「独りぼっち」という感情を指したもの。
- その治療法としては内因性うつ病の場合、三環系抗うつ薬であるimipramineを第1選択薬として用いる。
- 憂鬱・逃避型うつ状態。 他者(社会人であれば職場の上司)の評価に敏感なストレス耐性が低く、他方に他罰かつ他力本願傾向がある(打たれ弱く、他人のせいにし、それでいて他人に頼る)という性格因によってきたるものと理解される
- 悲哀、制止、不安、焦燥、憂鬱、煩悶、逃避、疲弊、茫然
S79
すべての箇所に(DSM-5)を付記すると煩雑なため本文中では見出しおよび初出を除いて省略。したがって本文中の「うつ病」、「抑うつエピソード」は、「DSM-5で定義されるもの」であることを意味している。
S81
- 解離とはある種の心の働き、ヒステリーという病態から見れば、症状形成機序
- 統合失調症。 精神分裂病に代えて用いられているこの病名は、あたかも‘統合が失調する’という心的メカニズムを表しているように響きますが、たんに「分裂」という用語を嫌ってほぼ同じ意味を表す「統合失調」という用語に置き換えたにすぎない
S83
- それが当該者に認識され、初めて原始反応が生じるもの、それが主観的体験として存在すること
- 前形成性ないし生得性。生物であるからには、それは自己防衛という合目的性であると考えられる。
- 要は自己の連続性が断たれており、そうした病的状態を生ぜしめたと想定される心理的葛藤を担った自己はいま現在の自己が関知するものではないこととして意識から切り離されている。逆に病的な状態は原則として健忘をこうむる。解離症とは苦悩の主体、真の自我を別の自我へと置き換えることによって(葛藤主体の隠蔽)、結果として心理的葛藤を逃避するものであることがわかる。
- 真に「解離」と呼べるのは葛藤主体を隠蔽する、つまり無きものとする解離症のみ
S84
- 葛藤主体の隠蔽
- 1から2、さらには3へ
- 一連のスペクトラム
S87
- 解離とは症状を形成する心的メカニズム
- 成因にはふれないというDSM作成の大原則
S91
- 統合失調症の場合には見落としますと、情意減弱状態に至るという手ひどいしっぺ返しをくらう
- DSMが研究用対象選択基準でもあるのならば、それに基づく研究成果がDSM-IV以降は示されて、いささかなりとも成因論に触れられるべきと思う。
- その科で取り扱う疾患のすべてを、それも症状と経過のみで分別するような診断基準がいったいぜんたい他の科にあるのか。
文献
- 中安信夫ら:反面教師としてのDSM-精神科臨床診断の方法をめぐって-,初版,星和書店,東京,2015,p174,スライド81