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psyc08-01603161559/2.うつ ......

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○うつ S25,S72,S74,S76,S79
まず、DSMでは、うつ病は、Major Despressive Disorderとしていて、「うつ病」、「抑うつエピソード」とされる。診断基準Aも症状のられつである。しかも妄想のなかに罪の意識のみがとりあげられるが、うつ病の三代微小妄想と言えば心気妄想、貧困妄想、罪責妄想などの妄想もあるのに、なぜか。
中安自身は、「うつ病」に4種のうつ状態(悲哀・制止型うつ状態、不安・焦燥型うつ状態、憂鬱・煩悶/逃避型うつ状態、疲弊・茫然型うつ状態)があるとし、内因性の「うつ」は、ひたすら死へすすむ状態で、広義の内因性のものは6種(狭義の内因性、退行期うつ、産褥期うつ、月経前うつ、季節性感情障害)に限っている。
うつについて、DSMは類型と症状と混交させているので、臨床出運用する場合の重要なる注意点としては、次の点がある。

  1. 内因性うつ病とはひたすら「死に向かう病」であること、
  2. 悲哀・制止型うつ状態。「哀しい」、「寂しい」、「独りぼっち」という感情を指したもの。
  3. その治療法としては内因性うつ病の場合、三環系抗うつ薬であるimipramineを第1選択薬として用いる。
  4. 憂鬱・逃避型うつ状態。 他者(社会人であれば職場の上司)の評価に敏感なストレス耐性が低く、他方に他罰かつ他力本願傾向がある(打たれ弱く、他人のせいにし、それでいて他人に頼る)という性格因によってきたるものと理解される
  5. DSMにおける「うつ状態」とは、ただ憂鬱とあるが、本来は、悲哀、制止、不安、焦燥、憂鬱、煩悶、逃避、疲弊、茫然がうつ状態であるべきである。


文献: 中安信夫:反面教師としてのDSM-精神科臨床診断の方法をめぐって-,初版,星和書店,東京,2015,p55,p157,p159,p173