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目次
●口演の目的 当院の電子カルテ開発。4年目の今回の目的は「医師に使い易い電子カルテに、何が必要か」のまとめです。まずは、問診場面においてのプログラム開発の力点を御覧下さい。
●問診と診察場面
第一に デスクトップの対面性を重視しました。当院では、御覧のように140度にスラントした14インチ画面がモニタです。これなら、邪魔なモニタ画面に対面性が乱されません。
モニタは、ノートパソコン用の中古14インチ液晶を箱にじか貼り。バックライトの覆いは薄い白のプラスチック板だけですので、液晶自体の照度が落ちます。それが却って、液晶に不思議な透明感と軟らかさを与え、目が疲れない。これは思わぬ結果でした。非常に明るい新品モニタは、画面と50cm離れた患者さんの顔とのスイッチで残像を残し、顔などが黒ずんで見える原因になるでしょう。
打ち込みテクニックとしては、タイピング能は必要です。頭が固定されます。こちらの頭位が保定されないと視線がぶれて観察が行きわたらないし、患者さんも、気が散ります。市販のものでは、ハードの性能にばかり目が生き、この一番大切な問題に全然対応していないものがあります。第一ブラインドタイピングが出来たとしても、顔だけ90度患者にむける、というのは、曲芸のようで、対面性が良いとは言えません。
さて、画面上の各項目にうつります。Howawan WebKarte System(以下HWS)の エントリー画面です。ここから、 カルテ作成画面に進み、大まかな症状を記入または、クリックしていきます。選択されるべき単語は不完全かつ「言葉の羅列」で、選択しただけでは文章は完成しません。術語の補充や接続詞、接尾語などをタイプして完成です。選択ばかり多い電子カルテもありますが、クリックに意識が集中して、話を十分聞けない、とか第2指のクリックは腱鞘炎のもと、なども問題となります。
肝心のタイピングに関してですが、現時点ではキーボードは、ボールペンの代わりと割り切ってタイプの訓練が必要でしょう。タイプのタイミングは、会話が途切れてで良いと思います。会話中にタイプすると、患者側がそれに会わせてくれるため、かえって不自然なまのびした会話になります。
問診に関してですが、今は、お母さんに、「どんな症状がありますか?」、「で、それは何時からですか」と言う風に、こちら主導で聞き取るようにしています。画面の項目に沿う形です。これはタイプミスを修正削除中に次の話に移ってしまうとか「とりあえずクリック」をして、後で、症状を間違える事の予防です。だからと云って、疾病のアウトラインを勝手に誘導しないように気を付けるのが、電子カルテ上の問診テクニックでしょう。*これを嫌がる患者さんももちろん居られます。又、手書きですと、話の前後で適当に文章を挿入できるよう、あらかじめ紙面を調節できますが、電子カルテでは、逆にクリック回数が増えて非効率的です。
プログラム作成中に一番頭から離れなかった事は、タイプして出来た文章と、クリックやプルダウンによる選択によるそれとは、結果が似て非なるものと言うことです。タイプを入れることで、初めて患者さんの意図を自分の思路に当てはめて翻訳できるようになります。この点は、大変重要な点で見逃せないと思います。次にお示しします校正画面をいれたのは、作り易さもですが、この目的のためです。校正画面だけでも、ワープロ打ちが出来ますし。。繰り返しますと、熱発が先か、咳が先か。時間的な症状発現の順など微妙な問題は、現時点では、タッチペンなどではなく、タイプが最適と考えています。
図示に関しては、今回考えませんでした。腹部所見、皮膚所見は、お絵書きツールなどの方が見た目便利なようですが、最近は、生命保険関係のカルテ閲覧希望や、カルテ開示希望がありますから、日本語術語での皮膚や腹部所見の記載が出来る事は必要と思われます。
では、その 編集画面に進みますとこれが編集画面で、上側の窓が、クリック選択のまま表示される羅列文で、これでは、文章とは言えませんから、加筆、ドラッグ、ペーストで、成型します。それが、下の窓の文章です。一枚目の画面で大体、決め、次の画面で修正。まだ不十分ならば、次の打ち込み画面でも修正が出来るので、その気になれば、きれいな文章に出来ます。とはいえ、手書きのカルテに優るものではありません。
このあたりで、 今お話した以外の問題点を列挙してみます。一番手間のかかった処方箋の作成についても、残念ですが、時間の関係でここで掲げました。
●ハードとレイアウト
ハードで一番大切なのはマウスでしょう。手に馴染むマイマウスを使わないと腱鞘炎になります。
○なぜブラウザを使うのか。
打ち込み画面を後で整理したいときや、兄弟が同室して、同時に複数カルテを作りたい、まず点滴をしたあと別の子のカルテに書く時などブラウザの新タブ作成や、 新ウインドウ作成機能は大変役にたちます。この画面は学会用ですので、残念ながら表示出来ませんが、御存じのように、ブラウザの補完機能も進化して、高頻度単語は一発選択ポップアップします。tabキーか矢印キーで選択するだけで、変換に手間取る医学用語なども挿入でき大変便利になりました。
○テキストファイルで保存
LANserverにtext fileで落とします。 表をごらんください。
○処方箋の作成