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CQ-82.ファントマ体験って?Lost feeling 2

ーー非すっきり症候群(仮称)ーー

 さらに、ファントマという概念についても触れます。ファントマは、外科の世界で、事故などで、手足が切断された後、それらが、あたかも存在するかのような感覚を持つ事ですが、これの原因クラスは、脳が直接外界に接していない事により継承されます。パソコンのスクリーンの様に、まず視床などのスクリーンに、ボディシェーマが描かれ、マニピュレーターが実行します。敷衍して、現実と、想起した姿のギャップをファントマと再定義すれば、本人のイメージと肥満とのギャップや、統合失調症の病識の欠如も脳卒中後のマヒ手と同じくファントマの可能性があります。私は、認知の障害としてのこのファントマ体験は、自我同一性の障害(神戸の学生による児童殺害事件など)、解離性、身体表現性など様々な適応障害でも同様と考えていますし、さらに、このファントマ体験、脳の上記の宿命の結果、普通の生活の中にもあり、ストレスが多いほど、その認知のクラスの表現として生じるとかんがえています。つまり、抑圧された脳は、認知の解放(処理の完了)に、仮想出力(コンピュータ世界では、標準出力ですが)にファントマを伴うことで、対処しているということです。

参考;http://www.doctorheli.net「方安庵homepage」